奈良県内の平成24年の労働災害による休業四日以上の死傷者数は、速報値
ではありますが、5月末日現在の発生数が418人と、平成23年の同時期と比較
しますと、41人、10.9%も増加しており、死亡者数については、実に昨年同
時期の2.5倍の5人にも達しています。(裏面統計参照)
労働災害は本来あってはならないものであり、中でも死亡災害は、被災労働
者本人はもとより、その家族、知人・友人、所属している企業・上司・同僚
にとってもかけがえのない命が失われるという極めて悲惨な出来事で、何と
してもなくさなければなりません。
ついては、死亡災害を始めとする労働災害の撲滅のため、次の事項の実施・
徹底について緊急に要請しますので、係る主旨を御理解の上、御対応方よろ
しくお願いします。
1. 高所からの墜落・転落、土砂崩壊、機械等へのはさまれ・巻き込まれ、
建設機械・荷役機械による災害等、死亡・重篤な傷害につながること
が多い災害防止のための対策を確実に講じること。
2. 経営トップは「安全第一」であることを明確に表明するとともに、
自らが率先して安全パトロール等を行うなど、その姿勢を従業員に示すこと。
3. 安全管理者、安全衛生推進員等の選任、安全委員会の設置等、安全衛生
管理体制の整備とその活動の活性化を図ること。
4. 職場内にある労働災害の発生につながる危険・有害要因を見つけ出し、
評価、除去・低減するための手法である「リスクアセスメント」の導入
及び効果的な実施を図ること。
5. 熱中症予防対策を徹底するとともに、発症した場合の救急措置について、
あらかじめ教育訓練を実施しておくこと。
6. 従業員に対する安全衛生教育を実施すること。